Updated : 2005/9/26 月曜日
残念! 琴欧州、優勝はなりませんでした。が、大相撲秋場所の13日目、琴欧州対朝青龍を見ていて、興奮のあまり、ひさしぶりにテレビ前でおたけびをあげてしまいました。そして昨日の優勝決定戦。ふたたび、琴欧州対朝青龍。泣き出しそうな琴欧州の気迫負け。
日本人力士が活躍してくれないと、相撲人気は下がるばかり、と言う人たちも、この取り組みをみて、考え直したのではないでしょうか。私もそのひとりです。
強くてかっこいい力士が、横綱に真っ向勝負を挑めば、面白い。こんな取り組みがいっぱいあれば、人気も回復するはずです。(K-1の曙も強くなってもらわないと困る)
強くて、男前で(たれ目優遇)、憎めないキャラクターで。先代貴ノ花、霧島、寺尾に続くような力士を待っていましたが、「角界のベッカム」とにわかに言われだした琴欧州にはその素質はありそうです。「相撲は日本人じゃないとだめだ」、という論調は、廃れることでしょう。
それぞれブルガリア、モンゴルと、外国人力士同士の真剣勝負。母国の国技でもない相撲に賭ける外国人同士の取り組みをとおして思いました。なぜ、相撲が今もなお生き残ることができたのか。世知辛い世の中にあって、わずか数秒で白黒つく相撲の単純明解な非日常が、痛快でもあるからではないでしょうか。
琴欧州の取り組みをみて、レスリングを見ているようだと語る人もいます。それもそのはず、琴欧州はレスリングの選手だったのです。レスリングの要素が相撲という伝統と文化、格式という大きな流れの中に入り込むことによって、大きな流れがより多様な力強さを持ち、文字どおり、型どおりにはいかなくなる。そして同時に新たな相撲像を体現していることにほかならないと思います。
今回の真剣勝負を見て、仙台での佐々木対清原(涙がキラリ。)のやらせ勝負のうさん臭さにいらだちを超えて苦笑していた人たちも溜飲を下げたことでしょう。私もそのひとりです。
新弟子検査で、相撲界入りの目的を「マネー」と答えたという琴欧州。八百長だけは、勘弁してほしいものです。それと女にも気をつけてほしいです。
閑話休題。
ともに1911年生まれで今年94歳になるフランス歌曲のカミーユ・モラーヌと清元の清元延以都喜。フランス歌曲、清元が、それぞれ全盛を極めていた時代に(コクトーが活躍した時代でもあります)バリバリの現役だったふたりに、直に接した鈴木千香子さん。しかしながら謙虚に、「自分がフランス語を母国語とするフランス人でもなければ、日本の伝統音楽の継承者でもないという自覚はしっかり持っていたい」と言います。
フランス語を母国語とするフランス人でも、日本の伝統音楽の継承者でもない彼女が、電波楽器オンド・マルトノの不思議な音色とともに、フランス歌曲、清元に通じた新たな音楽を発信します。型(主義=イズム)どおりにはいかない、フランス歌曲と清元とは、いったい、どんなもの?
鈴木千香子さんが構成を手掛け、また自身も出演する「コクトーと浄瑠璃 ONDE ET ONDINE」は10月15日17時開演です。<向井桃子>