スタッフ日記

「カノン工房虎の巻」 その2【舞台監督・ステージマネージャー】

Updated : 2006/5/23 火曜日

◎演出家、振付家、アーティストなどのイメージをステージ上に具現化する仕事。では、演出、演奏といった表現行為とはいったいどのようなものなのか。

クラシック音楽やクラシックバレエ、歌舞伎などの再現芸術にしても、新劇やコンテンポラリーダンス、映画・映像芸術などの創作芸術にしても、基となるテキストや原作、楽譜、または人間の普遍的なテーマ(愛、生、死、家族、友情、努力など)をどう解釈し定義し表現するかが重要であり、提示された言葉、メロディ、テキスト、またはその行間、文字間、音符と音符の間に、自らの思想、斬新な解釈、現代的な表現法、色づけなどをしないままに観客に伝達する、演出家、振付家、役者、ダンサー、アーティストたちは自らの存在を否定していることに等しい。「表現する」とは、譜面やテキスト、人間の普遍性といった拘束された環境の中に身を置き、先駆的な発想と情熱的な意欲をもって、観る人たちの共感、感動、信頼を獲得することを意味する。表現者と観客との心地よい緊張関係の構築、時代の半歩先にある新しい価値観、自慢できる発見を観客に提供するためには、唐突な展開や無謀な演出、解釈などといった自己満足的な主張ではなく、しっかりとした創作コンセプトや公演テーマが核となって、ミクロとマクロで計算されたステージを展開していく必要がある。

舞台監督やステージマネージャーも、こうした認識を持たなければ、演出家、振付家、演奏家の意図を理解し、舞台化するための的確なアドバイスやヒントを提案することができない。新しい感動を創出しようとする、優れたアーティストたちの信頼を得るためには、舞台監督といえどもアイデンティティや豊かなイマジネーション、トラブルに的確に対応できる危機管理能力、自己管理能力を養い、洞察力と先進性、決断力と柔軟性などを培っていかなければならない。そして、その公演を大いに楽しめる一番最初の観客でなければならない。

◎開場

出演者にとっての開演は公演の幕が開く開演時であるが、舞台監督/ステージマネージャーおよびスタッフの開演は観客が入場する開場時である。客入れ中に、公演のテーマやコンセプトとかけはなれた舞台照明や飾り、BGMを流すことなど通常ありえない。

なぜなら、こうした客入れ中の出来事、音楽も本公演への序曲だからである。音楽を流して観客を迎え入れることが、どれだけ本公演の内容/印象に影響をおよぼし、意味を持たせてしまうか。開場から、すでに公演は始まっている。
(小冊子「カノン工房虎の巻」より。その3につづく)

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