この秋、バッハを演奏します。
対位法の名手が残した無伴奏組曲という、秘やかで空ろな作品。
様々な技法で隠し入れられた「声」に、現代の私たちは何を感じ取るのでしょうか?
バッハと共に幾層もの時代と多様な地点から届けられる、ふんわりとした「声」は、ほんの少しだけそのことを思い起こさせてくれるかもしれません。
チェロ/上森祥平
第1部
J.シェンク:「ダニューブ河のこだま」より無伴奏ソナタ イ短調 作品9-6 アダージョ (1706以前)
J.Schenck : Sonate a-moll op.9-6 Adagio von “L’Echo du Danube”
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007
J.S.Bach : Suite für Violoncello Solo Nr.1 G-dur BWV1007
G.クルターク: 「影」(1999)
G.Kurtag : Arnyak
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV1011
J.S.Bach : Suite für Violoncello Solo Nr.5 c-moll BWV1011
D.ガブリエッリ:チェロ独奏のためのリチェルカーレ第5番(1689)
D.Gabrielli : Ricercar 5°
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV1009
J.S.Bach : Suite für Violoncello Solo Nr.3 C-dur BWV1009
第2部
K.サーリアホ:「7羽の蝶」(2000)より第2曲
K.Saariaho : Sept PapillonsⅡ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV1010
J.S.Bach : Suite für Violoncello Solo Nr.4 Es-dur BWV1010
M.マレ:「異国趣味の組曲」より〈戯れ〉(1717)
M.Marais : Le Badinage
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV1008
J.S.Bach : Suite für Violoncello Solo Nr.2 d-moll BWV1008
A.ヒナステラ:プネーニャ第2番 作品45-2 「ウェイノ・カルナヴァリート」(1976)
A.Ginastera : Punena Nr.2 op.45-2 “Wayno Karnavalito”
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV1012
J.S.Bach : Suite für Violoncello Solo Nr.6 D-dur BWV1012
※曲目・曲順は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
開演/11月23日(日) 第1部14:00 第2部17:30
*開場はそれぞれ30分前を予定。
*第1部・第2部ともに途中15分休憩あり。第1部と第2部との間は1時間30分の休憩を予定。
全席指定 通し券/大人3500円 学生2500円
一幕券(第1部または第2部のみ)/大人・学生ともに2500円
トッパンホールクラブ会員割引各500円引き
チケット取扱/発売開始<9月1日(月)>
トッパンホールチケットセンター 03-5840-2222 http://www.toppanhall.com/
チケットぴあ 0570-02-9999 【Pコード 300-383】 http://pia.jp/t/
カノン工房 03-5917-4355
以下のご予約ページからお申し込みいただけます
http://www.atelier-canon.jp/reserve/
会場/トッパンホール
主催・お問い合わせ/カノン工房
《2004年4月2日、京都で開催されたさまざまなチェリストがバッハを演奏する企画に出演した際の批評より》
「J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲演奏会 第4回 上森祥平」
チェリストたちが日替わりでバッハの無伴奏に挑む企画の第4回。
上森は水際立った腕の冴えだが、それを決してひけらかさず、ずしりと手応えのあるモノローグを広げる。
前半と後半の最初にバッハと重なる時代の作品で露払い。これで時代の空気と、バッハの独創性が対照される。
シェンクのアダージォの旋律作法が沈潜の余韻を残すなか、バッハの無伴奏第1。鮮やかに歌うのだ。次の第5とともに、楽句の連結点が円滑で一瞬の停滞も無い。時代様式を意識した奏法ながら、それが普段着のように自然。
D.ガブリエッリの第5リチェルカーレでも、乱雑に投げ出された素材を非凡な集中で束ねてゆく手腕は見事だ。
バッハの3番では切れ味のよさが光り、なんとなくの音は一音も無い。舞踏と歌が渾然一体となる華やぎと、内へと向かう思索の深さが共存して、むしろ詩的なまでの音空間を創り出していく。その奥行きは無類。
-音楽の友 2004年6月号-
【プロフィール】
上森祥平 (うわもりしょうへい)
東京芸術大学在学中に日本音楽コンクール第1位、併せて「松下賞」受賞。1998年、「安宅賞」受賞。1999年、各地でデビューリサイタルを開催。その高い表現力や表情を多彩にする包容力は、誌上で高く評価された。宮崎国際室内樂音楽祭ではアイザック・スターン、エマニュエル・アックス各氏に師事。1ヶ月にわたるレッスンの模様は、NHK教育テレビ・BSで放送された。2000年、スターン氏自らの招きによって再び宮崎でアイザック・スターン、ジュリアード・クァルテットの各氏に師事。この模様もクラシカ・ジャパンより放送された。東京芸術大学にてヨーヨー・マ氏のマスタークラスを受講。2001年、ベルリン芸術大学に留学、ヴォルフガング・ベッチャー氏のクラスでさらに研鑚を積む。同年京都市芸術文化特別奨励者に選出される。2004年、J.S.バッハ無伴奏チェロ組曲連続演奏会で成功を収め、誌上で絶賛される。パブロ・カザルス国際チェロコンクール、エマニュエル・フォイアマン・グランプリ、アントニオ・ヤニグロ国際チェロコンクールセミファイナリスト及びディプロマ取得のほか、ヨーロッパ各地で演奏。2005年、ドイツ国家演奏家資格を取得し帰国。現在、東京芸術大学で後進の育成に力を注ぐほか、ソロ・著名演奏家との室内楽・主要オーケストラの首席客演等多方面にわたって活躍。なかでも2005年にスタートさせたドイツ三大Bチェロ作品全曲リサイタルではベートーヴェン(2005年)、ブラームス(2006年)チェロソナタをいずれも一日で全曲演奏し、好評を博す。2006年、小林研一郎氏指揮・藝大フィルハーモニアと共演。2008年三大Bシリーズ最終回となる「バッハ」では、全国各地でJ.S.バッハ無伴奏チェロ組曲全曲演奏会を開催。これまでに東京交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団等と共演。ヴォルフガング・ベッチャー、河野文昭、山崎伸子、雨田一孝各氏に師事。